もう亡くなられたが物理学者の三石巌(みついしいわお)博士の本によると、自然界には発がん物質というものは何千種類もあるという。その中で、ガンを引き起こすとされているのは「農薬、タバコ、おこげ・・・・・・」など50種類ほどだそうだ。

ただ、これは実験レベルの話なのでそれほど深刻にならないでいいらしい。というのも、発がん性の有無を確認するため、その物質を大量にマウスに与える。それはそれは非常識な量で、しかもわずかでもがん細胞の発生が認められれば、「発がん物質!!」というレッテルを貼られるわけだ。

たとえば、「おこげ」。これが原因でガンになるには一生のあいだに何トンもの量を食べないといけない。

さあ、ここで、タバコにおけるマウス(ネズミさん)の実験をご紹介しよう。以下はとても残酷なので読まなくてもよい。

まず、マウスを動けないように固定・拘束する。そして、気の毒だが、マウスの口に無理やりタバコをくわえさせ、火をつける。1本終わるとまた次の1本をくわえさせ火をつける。ゲホゲホしてもイヤイヤしてもおかまいなしだ。

人間でいえば200本に相当する量を毎日毎日吸わせる。実験者も申し訳けなく思ってるのか喜びを感じてるのかは知らないが、ここまでして、肺がんを確認するというわけだ。ただ、肺がんを確認できたとしても100匹のうち数匹のみということだ。したがって、タバコと肺がんの因果関係はないという。

タバコと肺がんを結びつけた人は、実は、国立がんセンターの疫学部長だったらしい。そして、皮肉なことに、その方は肝臓がんで亡くなられた。

「ベータカロチンがガン予防になるので、緑黄色野菜をどんどん食べましょう」と提唱したのもこの人だったようだ。ただ、ベータカロチンを過剰摂取した人にガンが増えたという研究報告もあるので世の中わかりません。

三石先生は、これこそ発がん物質だというものをふたつあげている。それは、免疫抑制剤と放射線である。

免疫抑制剤・・・1.臓器移植手術後の拒絶反応を抑えるクスリ
          2.自己免疫疾患(リウマチ、ギランバレー症候群、クローン病、
全身性エリテマトーデスなどの難病)の治療薬

放射線・・・・・自然界には目に見えないが放射線が飛び交っていて、我々は生きている限り、それを浴びている。その被ばく量は年間2.4ミリシーベルトというごく少量なので人体に影響はない。
ちなみに、200ミリシーベルト以上の大量の放射線を浴びるとがんが発生するといわれてい
る。

健康診断でよく行われるレントゲン検査だが、その被ばく量は、胸部で0.1ミリシーベルト、
胃のバリウム検査で15ミリシーベルト、CT検査では20ミリシーベルトとなっている。

会社や学校などの検診でレントゲン車が使われるが、あの車の多くは間接撮影装置で、直接撮
影の5~6倍の放射能被ばく線量である。しかも、画質が悪く、精度も低いので、専門家たち
は「あんなものでガンがわかるわけがない」と口々にいう。そして、「胃カメラ検査はまだい
いが、バリウムを飲んでのレントゲン検査なんてやる意味がない」そうだ。ぼくも大賛成です。