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広島市内に残る原爆ドーム。
もとは広島県物産陳列館であった。
戦争の悲惨な傷跡がもろに残っていた。
2006.7月撮

目に青葉 山ほととぎす 初がつお。さて、緑がまぶしい季節になってきた。気温も上がり、のども渇く。おまけに、ぼくの大好きなカツオのシーズンにもなってきた。となれば、やはりビールですよね。ぼくなんか季節に関係なく毎日飲んでいるのだが、空気が乾燥した、この新緑のころに飲むビールは最高である。

余談だが、昔、サッポロビールの広告に「ミュンヘン、札幌、ミルウォーキー」というのがあったのだが、これらはご存知世界三大ビール生産地であり、いずれも北緯43度ライン(ミュンヘンは少し北の48度)に位置し、やはり空気は乾燥している。

では、さっそく、冷蔵庫でギンギンに冷やした缶ビールをプシュッ!そして、冷凍庫でカキン!と冷やしたジョッキに、泡がこんもりクリーミーになるよう上手に注ぐ。生唾ゴックンして、さあ、いきます。

「うぐうぐ、うぐうぐ、3うぐうぐ、あわせてうぐうぐ、6うぐうぐ」ときたときゃー、あーた、サイコーです。シアワセです。もう、一生あなたについていきます。

ところで、ビールビールとはいっているが、最近、諸事情により、ビールではなく、発泡酒などを飲むことが多くなった。ここで、「え?発泡酒はビールじゃないの?」と思われているおとうさんたちのために、少しご説明いたしましょう。

今、日本では、ビール、発泡酒、第3のビール、そして第4のビールというものがある。何がどう違うのかというと、使用する原料とそれに関係する酒税が違うのである。酒税が安ければ値段も当然安くなる。

ビールを漢字で書くと「麦酒」であり、「麦」つまり「麦芽(ばくが・大麦の種子を発芽させたもの)」から作られている。で、この麦芽の使用比率によって税率が変わってくるのである。

ドイツでは「ビール純粋令」というもので製造方法が決められていて、「麦芽100%、副原料なし!でないとビールと呼べない」らしい。一方、日本では酒税法によりビール、発泡酒、第3、第4のビールと分けられる。
それぞれの定義ですが、

<ビール>
1.麦芽、ホップ、水だけのもの。麦芽100%とうたっているのがこれ。サントリー「モルツ」、サッポロ「エビス」など。
2.麦芽、ホップ、水、のほかに副原料(米やコーンスターチ)を使ったもの。当初、日本ではこれが主流だった。キリン「ラガー」、アサヒ「スーパードライ」など。麦芽の比率が少し低い(50%以上100%未満)ので、当然、「モルツ」や「エビス」よりも安い。

<発泡酒>
麦芽の使用比率がビールより少ない(50%未満)。ビールより値段はかなり安くなる。キリン「淡麗生」、サントリー「マグナムドライ」など。

<第3のビール>
麦芽を使わない発泡性酒類。麦芽の代わりにえんどう豆や大豆を使っている。従って正確にはビールではなく、ビールのようなアルコール飲料となる。キリン「のどごし生」、サントリー「ジョッキ生」など。

<第4のビール>
発泡酒にスピリッツ(麦を原料とする蒸留酒)を加えたもの。第3のビールは酒税法では、「その他の醸造酒」という分類にあたるが、第4のビールのほうは「リキュール」という分類らしく、さらに税率が下がる。

最近の消費者の動向としては、価格の安さを求めるか、リッチな味を求めての高級志向かの2極になっており、サントリー「プレミアムモルツ」などの高級品やこの第4のビールの売り上げが伸びているのである。ただ、この第4のビールでもサントリー「金麦」、アサヒ「極旨(ゴクうま!)」、キリン「良質素材」は麦芽使用率50%に近いらしく、限りなくビール本来の味に近づけている。

今後も、何を飲んでも俳優の田村正和さんのように「ビールと間違いちゃいました」、と言えるようビール会社にはしっかり頑張ってもらいたい。さあ、今夜も「うぐうぐしたい!」