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徳島県吉野川河口に昨年開通した1291mの「阿波しらさぎ大橋」。
便利にはなったが干潟などの自然も破壊されていく。
13.1月撮





今回は何やら映画や小説のようなタイトルである。たまにはぼくもカッコよくいきたいのである。
松本清張氏は「ゼロの焦点」で、主人公が、失踪した夫の過去(ゼロ)に焦点をあてて事件のなぞ解きを進めていくなかで、敗戦後の日本、アメリカ占領下の日本の当時の社会背景を、寒々とした冬の日本海とともに悲しく描いていた。

百田尚樹氏の「永遠の0(ゼロ)」では、太平洋戦争中のゼロ戦のパイロットや特攻隊員をとおして、その時代に必死に生きていた男たちが見えてくる。そして、家族を愛することの大切さ、人を想うことの尊さを現代の私たちに伝えている。まさに涙なくしては読めない感動作であった。

ということで、ぼくも0ゼロにこだわりたい。0ゼロを追求したい。そして、0ゼロで人を感動させたい。

では、何の0ゼロにすればいいのか、いろいろ悩みました。毎晩考えました。すると、ありました、ありました。

近年、アルコール飲料や炭酸飲料で「ゼロ」や「オフ」などの文字がよく目につきますよね。「糖質ゼロ」や「カロリーオフ」ってやつ。

たとえば、糖質ゼロってホントにゼロなのか。ぼくはビール及び発泡酒の類に関しては上のような、ゼロとかオフとかダイエットなんてまったく気にせず、自由奔放に飲みまくっていた。もちろん健康は気になるところだが、ゼロやオフなんてきっと「まずい」「うまくない」と思っていたからだ。

そこで、今回試しにソレに関係する発泡酒(新ジャンル)のものを買うために、スーパーへ行った。そして、ビールコーナーに、どれどれと近づいていった。いやー、驚きましたね。発泡酒、缶チューハイなど、ゼロやオフ関連の物があるわあるわ。数ある中で今回選んだのは、「キリン濃い味糖質0ゼロ」っていうやつ。CMでは明石家さんまさんがやっているやつです。

で、この発泡酒は糖質ゼロだけではなく、パッケージをよく見ると、プリン体60%オフ、カロリーオフともうたっており、まさに今回調査するにはうってつけの商品である。

まず、原材料を確認する。麦芽、ホップ、糖類、食物繊維、大豆たんぱく、酵母エキス、甘味料(アセスルファムK)、大麦スピリッツ。なんだか、いろいろはいっていて複雑である。

本場ドイツでは「本物のビール」の定義としての原材料は麦芽、ホップ、水のみである。つまり、麦芽100%でそれ以外混じりっけいっさいなし。日本でいうと、サッポロのエビス、サントリーのモルツ、キリンの一番搾り、あたりであり、それ以外のスーパードライだとかラガーだとかはビールとは呼ぶことはできず、ましてや麦芽25%以下の発泡酒や新ジャンルビールなどはもってのほかである。

話はだいぶそれたが、今回はゼロの真実に迫るのである。さあ、この「濃い味」。さらに、パッケージをみると小さい字で「糖質ゼロ」は100ml当たり糖質0.5g未満のもの、「カロリーオフ」は100ml当たり20キロカロリー以下のものに表示可能です、とある。

おかしいではないか。つまり、糖質もカロリーもまったくゼロではないのである。しかし、他のビールや発泡酒には100mlあたり糖質2.5~5gほど含まれている。それを考えるとゼロのほうがいいのかもしれない。
ところで、原材料をよく見てみると、「糖類」とある。さあ、「糖質」と「糖類」はどう違うのか。簡単に図式でみてみると次のようになる。

炭水化物  =  糖質 + 食物繊維
            
          ・糖類(=シュガー、糖)
            二糖類・・・砂糖
            単糖類・・・ブドウ糖・果糖
          ・多糖類・・・でんぷん・オリゴ糖
          ・糖アルコール・・・キシリトール

つまり、「炭水化物」という大きなくくりがあって、それは「糖質」と「食物繊維」で構成されている。そして、「糖質」の中に糖類と多糖類と糖アルコールが含まれる、というわけだ。

ここで、もう一度原材料に目を向けてみよう。甘味料でアセスルファムKと書いてある。これは、アセスルファムカリウムのことで、ダイエットペプシなどに使われた新しい人口甘味料の1種である。何でも、砂糖の200倍の甘さがあるらしく、それでいて摂取しても体内で吸収されることなくそのまま体外に排出されるので太らないらしい。

ただ、アルコール自体にはカロリーがあるのでカロリーがまったくのゼロとはならない。アルコールは1gで7キロカロリー。ということは、アルコール度数が少ないお酒ほどカロリーは少ないということとなる。

では、この「濃い味」。さっそく、試飲してみよう。プシュッ。トクトクトクトク。グビッ、グビッ、グビッ、グビッ。プハー。うーん、ゼロのせいかオフのおかげか実にマイルドなのどごしである。ただ、アルコール分をみると、2.5%以上3.5%未満とあり、いつも5~6%のものを飲んでいるぼくにとっては少し物足りないかもしれない。

でも、健康のことを考えるとたまにはこういうのもいいかもしれない。休日のお昼なんか最高でしょうなあ。

「午後の紅茶」っていう飲み物ありますよね。ネーミングがいい。「午後の」といれるだけで、おやつ時に飲んでみようかなあ、って気分になる。それにならって、「午後のビール」でもいいのではないか。午後といっても夜の10時ではなく、やはり3時ごろですかね。春の温かい日差しを浴びながら、ビバルディの「四季・春」を聞いて飲むビールなんて最高だろうなあ。(注・ビバルディってかっこよく書きましたが、普段クラシックは聞いていません)

余談だが、先月、我が家もついにタニタの体組成計インナースキャンというものを購入した。体重はもちろん、体脂肪率、内臓脂肪、筋肉量、基礎代謝量、体内年齢、推定骨量、体水分率などが測定できるすぐれもの。ただ、乗るたびにビクビクしてしまうので、よけいに体によくないかもしれない。

タニタがでたので、ついでにお知らせです。
5月25日全国ロードショーの「体脂肪計タニタの社員食堂」という映画にぼくの30年来の親友が出演しています。本人いわく、「タニタ社の専務役で、今まで出た作品よりかは今回はまあまあ出てくるよ」とのこと。背が高く細身の男です。皆様もご興味があれば、観てやってください。
いろいろ書いてきたが、結局、「ゼロの真実」は解明されたかどうかは定かではない。