キャベツが冷蔵庫にあるとなんだか安心する。どんな料理にも使えて重宝する。何よりも安価なのがいい。今回はそのキャベツを使って回鍋肉です。

<2人分> 1.豚バラ肉120gを5㎝幅に切る。
2.キャベツ150gをざく切り、ピーマン2個を半割にして8等分にする。3.ネギ1/4本を斜め薄切り。ニンニク1かけを薄切り。
4.フライパンに油大さじ1を熱し、(2)を炒めて全体に油が回ったら取り出す。
5.(4)のフライパンに油1/2を足し、(1)を炒める。肉の色が変わったら、酒大さじ1をふり、テンメンジャンみそ(中華甘みそ)大さじ1/2とトウバンジャンみそ(四川風唐辛子みそ)小さじ1を加えてよくなじませる。(3)も加えて炒め、(4)を戻し入れ、しょうゆ大さじ1、こしょう少々で調味する。

さて、この回鍋肉。鍋を回す、とあるがどういうことなのか?これは、鍋自体を回したり、フライ返しでかえしたりすることではなく、一度調理した食材を、再び鍋に戻して調理することであるらしい。くれぐれも、染之介染太郎さんのように、傘の上で回さないように。

そして、中国の回鍋肉はキャベツではなく、ソンミョウという葉ニンニクのような野菜を使うのが本式。肉の方も皮つきの豚肉のカタマリを茹でたり蒸したりしてから使う。四川料理の父、陳建民が回鍋肉を日本に広めた時、ソンミョウをキャベツに、豚肉も最初から薄切り肉を使いだしたことにより、それ以来それが日本式回鍋肉になったわけだ。

ところで、テンメンジャンやトウバンジャンの「ジャン」を漢字で書くと「醤」である。「ひしお」と読み、中国語で「ジャン」と発音する。麹と食塩で発酵させた調味料や食品のことです。魚から発酵されたものは「魚醤(ぎょしょう)」。秋田名物、ハタハタから作られたものは「しょっつる」。最近、スーパーでも簡単に手に入るタイ料理にはかかせない「ナンプラー」はカタクチイワシから作られる。
大豆を原料とするのはご存じ「醤油」。これらすべて、発酵食品なので体にとても良い。料理にはジャンジャン使いましょう。余談だが、モランボン社の焼肉のタレ「ジャン」はこの「醤(ジャン)」からきている。