「すじを痛めた」という言い方をよく耳にする。だが、解剖学的には体の中に「すじ」というものはない。それは、たいてい「腱(けん)」か「靭帯(じんたい)」か「筋肉」のことである。

腱は筋肉の先の方にあり、筋肉と骨をつなぎとめている。靭帯は骨と骨をつなぐ役目のものである。天満でお気に入りの立ち呑み屋に行くと、ビールとともにまず注文するものがある。「どて焼き」である。何かというと、牛すじの味噌煮込みである。この「すじ」も上とさして変わらない。長時間煮込んであるのでとてもやわらかい。これをつついてビールを飲みながら、さて次は何を注文しようかなと、壁いっぱいに貼られたお品書きを見渡すのが実に楽しいひと時なのである。

ところで、我々の体には約400種類の筋肉が存在する。その中で、体幹を支える四大筋肉というものがある。

1.大胸筋(だいきょうきん)・・・胸の筋肉。腕立て伏せなどで鍛えるとよい。腕を肩幅より広げれば胸の筋肉、狭めると腕の筋肉の強化となる。

2.広背筋(こうはいきん)・・・背中の左右の肩甲骨の下あたりから骨盤の仙骨まで広がっている逆三角形の筋肉。ボートのオールを漕いだり、剣道の素振りなどでよく使われる。500mℓのペットボトルを両手に持ち、足を肩幅に開き、上体を少し前かがみになる。このとき、お尻を突出し、背筋を伸ばした状態でペットボトルを胸までゆっくりひっぱりあげる。

3.腹直筋(ふくちょくきん)・・・腹部を縦に走る筋肉。いわゆる腹筋運動がよい。仰向けになり膝を立て、おへそをのぞきこむように少し上体を起こすだけでよい。

4.大腿四頭筋(だいたいしとうきん)・・・太ももの前側の筋肉。ご家庭ではスクワット運動が一番。

この4つの筋肉をまず鍛えることによって体幹がしっかりとし、姿勢もよくなるので、皆さんも少しだけ試してください。ただ、くれぐれも無理をしないように。