きれいな半月の夜のことではない。「半月板」といって膝の関節のところにある軟骨のことである。足の太ももの骨(膝から上の骨)とすねの骨(膝から下の骨)の間にあり、クッションの役目をしており、外側と内側の2つある。

半月とは名ばかりで、実際は三日月の形をしている。先月、我が阪神タイガースの城島捕手がこの半月板を損傷していたということで、こっそり手術をしたようだ。来年の開幕は絶望!と報じていた。えらいことである。

この、半月板損傷というやつ、かなり痛いんです。実はぼくも若かりし頃、左膝の外側の半月板損傷で手術をしている。当時、東京に住んでいたころ、ある理由で高いところから飛び降りるということを繰り返しやっていて、それが原因で半月板損傷となってしまった。じっとしていてもジーンという痛みはあるし、特に歩くたびにビシッ、ビシッと痛みが走る。

当時、MRI検査なんてなかった時代で、関節造影法といって、関節に注射で造影剤を注入し、レントゲンで診断するものである。3つの病院で診てもらったが、結果はどこも半月板損傷と診断され、2つの病院が「部分切除」を、1つが「ギプスで固定、経過観察」を勧めていただいたが、思い切って手術を選んだ。その時、もし今のような整体の仕事をしていて、体に関して知識があったとしたら、手術など選ばなかったかもしれない。ひとの体にメスを入れることはやはり極力避けた方がよい。

でも、その頃は手術をしたら治ると信じていたので、下半身麻酔をしてもらい「部分切除」をしてもらったのだが、術後もかんばしくなかった。昔は執刀医のウデや治療後のリハビリ技術そのものも、今とは違ってかなり悪かったしなあ・・・。結局、半年後くらいで再手術となった。

2回目は「完全切除」となり、現在ぼくの左膝には外側半月板は無いのである。そして、25年たった今でも左膝は痛む。あのときのチョイスが悔やまれる。今となっては仕方が無い。