ギブスではありません。ギプスです。ついつい「ブ」と発音してしまうが、本当は「プ」なんです。ドイツ語の‘GIPS’(石膏)が語源です。

1852年のイギリスとオランダの戦争で、オランダ軍医が石膏を使って傷兵の患部を包んだのが始まりらしい。今までは、骨折や捻挫をしたときにはたいていこの石膏を使ったギプスで治療をしていた。

ぼくも経験があるがとても重いものであった。X線も通さない頑丈なものだった。ムレてムレてとてもかゆかった。石膏の上からかいてももちろんびくともせず、ものさしを中につっこんでかいたりもした思い出もある。

それが、最近では水硬性ポリウレタン樹脂を含んだグラスファイバー製のものが主流となり、かなり軽く、取り外しも可能で快適にはなっている。この技術はハリウッド映画の特殊メイクなどで、顔や体の型を取るのにも使われている。

ちなみに、漫画「巨人の星」の星飛馬(ほしひゅうま)の大リーグボール養成ギプスはバネ仕掛けであった。