むかし、「アーメン、ソーメン、ひやソーメン」とよくいいましたよね?「えっ?いってない?」それはおかしい。別にキリスト教でもなかったけど、なんの脈略も意味もなくいっていたけどなあ。

いまでこそ、そうめんはソーメンチャンプルーとか炒め物にしたり食べ方のバリエーションも豊富だが、ぼくがこどものころ、家ではめんつゆにつけて食べる冷やしソーメンばかりだった。だから、「ひやソーメン」などとわざわざ「ひや」をつけるのはどうもおかしい。ということは、「ひやソーメン」は‘ひやむぎ’のことだったのかもしれない。

ひやむぎといえば、白いものに混じって赤や緑のものも何本か入っており、「おっ!あった!あった!」とそれを探して食べるのが楽しかった。しかし、そうめんとひやむぎ、その赤や緑のことを除いてふたつとも同じように見えるが、いったいどう違うのか知ってました?

そうめんは中国生まれ。ひやむぎ(冷麦)は日本生まれ。原料はどちらも小麦粉。これに水と塩を加えて生地を作る。

そうめんは生地をのばすために油を使い、1年以上寝かして熟成させる。

冷麦は油を使わず、のばした生地をそのまま細く切って、1日乾燥させるだけ。うどんと同じ。

小麦粉を練った生地を細く切り、ゆでて食べるものを「切り麦」と呼んでいたらしい。これを温めて食べるのを「饂飩(うどん)」、冷やして食べるのを「冷麦」と区別していたようだ。ひやむぎの中の赤や緑の謎は、いつか調べることにしよう。