このコーナーでは人体全般のことや健康のことをとりあげています。
今回は「痰」に関するお話です。

外を歩いていて、いきなり「カー、ペッ!」と路上に平気でタンやツバを吐き捨てる人に出会ったら最悪ですよね。あれはかなり罪深い行為だと思う。体内の物を出すわけだから排尿や排便となんら変わりはしない。こんなやつはすぐにつかまえて、公然排泄罪でムチ打ち100回だ!(実際、軽犯罪法で禁止されています)

さて、そもそも痰とは何か。それは、気管や気管支などの呼吸器官から分泌された粘液である。ヒトの体はうまくできていて、気道に異物が侵入すると分泌された粘液により、とりあつめてまるめ、それをタンとする働きがある。

ここでいう異物とはチリやホコリ、細菌やウイルス、そして、その細菌やウイルスと戦った白血球の残骸(黄色いタンとなる)などである。そして、そのまるめられたものがある大きさに達すると気管支の内壁を刺激してセキを起こさせ、ゴホンゴホンと外に出されるわけである。

実はこのタン。健康な人でも1日100mlがでている。これより異常に多いと病気の可能性もある。

そして、タンの色によって病名もわかってくる。

赤色・・・つまり、血痰。肺結核、肺ジストマ症(吸中症のこと。吸虫類が肺に寄生する病気。生のモクズガニ、生のサワガニ、生のイノシシ肉はやめましょう。)、肺がん。

桃色・・・心筋梗塞。

鉄さび色・・・クループ性肺炎(大葉性肺炎ともいい、肺葉全体におこる肺炎)。

黄色・・・黄疸。

悪臭のする膿のようなきたない黄色・・・肺壊疽(化膿菌などにより肺実質が壊死、腐敗する病気)、気管支拡張症(肺炎や結核をやったあと、時には先天的に気管支の一部が広がり、そのためにそこにタンがたまりがちになる病気)。