DSCN1574兵庫県南あわじ市(淡路島)と徳島県鳴門市(大毛島)に架かる大鳴門橋。下がうず潮で有名な鳴門海峡。
(2014年7月撮)







潮の干満で激しい潮流が生じるところを瀬戸という。そして、日本一早い潮流を誇る鳴門海峡で発生する渦潮はものすごい音を出す。そこから、鳴る戸→鳴門という地名になったといわれている。

毎年この時期(夏)に行っている青春ひとり旅、今回はこの鳴門にした。なぜ、ここを選んだのかというと、実はこの次の日に徳島市で法事があることになっており、それならば、移動の途中で下車して気ままな旅をしてみようと考えたわけだ。ということで、妻や子供とは別に前日からひとりで移動することにした。

7月26日、神戸・三宮を朝9時15分の高速バスに乗り、10時31分鳴門公園口バス停にて下車。普通の観光客ならここから観潮船に乗り、間近で渦潮をながめて歓声を上げるはずだ。もしくは、「渦の道」という施設に行ったりするはずだ。そこは大鳴門橋の車道の下に作られた海上遊歩道なのだが、ガラス張りの床から45m下の渦潮をのぞきこみ、スリルを味わい絶叫する者もいる。

ただ、上の二つともぼくは経験済みだし、今回は「ツアーでは行けない」というふれこみなので別ルートを行くことにした。もちろん、レンタカーなどでドライブという快適な旅であるはずがない。割と過酷な旅である。

さて、鳴門公園があるところは大毛島(おおけじま)という島で、四国本土ではない。今回はこの大毛島を徒歩と路線バスで南下し、ところどころのスポットを訪れながら、最後は渡船を使って四国本土の鳴門市街へ、そして徳島県では最北端の駅でもある鳴門駅まで進む。

そのあと、JR鳴門線及び高徳線で徳島市内へ乗り込もうという計画だ。あらかじめ、路線バスと渡船とJRの時刻表は入手しておき、いざ、出発!

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鳴門公園口バス停は大鳴門橋を渡りきったところにある。車がビュンビュン横を走る高速道路のわきにぽつねんと立つのもスリルがあってよろしい。降りたのはぼくだけかと思いきやギャルが4人一緒に降りた。彼女たちはどこへ行くのだろうか。当然、普通の観光ルートだろうなあ。
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坂道を下っていくと、「大鳴門橋架橋記念館」という施設があり、先ほどのギャルたちはここに入っていった。ぼくは、ここを素通りして、「お茶園展望台」へ。阿波藩藩主蜂須賀候が茶屋を設けて観潮したというが、なるほど、鳴門海峡の絶景が素晴らしい。そして、海風が心地いい。
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DSCN1578南に目をやると、美しい海岸線。吉川英治の「鳴門秘帖」の舞台となった景勝地「千鳥ケ浜」だ。

普通なら、あそこまで行くのは車である。だが、ぼくは、山を歩いて下ることにした。


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先ほどまでは観光客もちらほら見受けられたが、さすが山道を下る人は一人もいなかった。100mにも満たない山なので軽く考えていたが、思っていたより、わりとハードな坂道だ。

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ただ、ときおり、美しい景色が目に飛び込んでくるので救われる。

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ようやく着いた千鳥ケ浜。






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名所とされているのに観光客なんて誰もいない。

少し拍子抜けだ。




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そして、ここをしばらく散策したあと、路線バスに乗り込んだ。






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千鳥ケ浜からバスでさらに南へ8個目のバス停鳴門東小前で下車。


地図を頼りにしばらく歩き、地元の人しか知らない「竜宮の磯」に到着。


DSCN1603干潮の時間帯だったので近くまで行ってみた。












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竜宮の磯を離れ、途中、土佐日記の作者、紀貫之の歌碑がある潮明寺にも立ち寄り、延々と田舎道を歩く。

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日陰がない。ましてやこの日は鳴門もとても暑かった。






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日焼け止めや帽子を忘れたので夏の太陽が容赦なく襲い掛かってくる。






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ようやく、家々の隙間から港らしきものが見えてきた。






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渡船乗り場まであとわずか。

もう一息だ。




続きは次号を乞うご期待。

余談ですが、夏の高校野球、徳島県代表は鳴門高校。
こっそり応援することにしよう。

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