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土曜の午後、鳴門駅前。人影もなく実にのんびりしており、まるで時間が止まっているようだった。(2014年7月撮)







前篇(前月号)のあらすじ。7月27日に法事が徳島市で行われるというので、前日に家族とは別にひとりだけで移動しようと考え、今回のひとり旅をその途中の鳴門に決めた。法事に参列するだけなら、その日当日の朝に出発すればいいのだが、ついでといってはヒンシュクだが、どうせ同じ方向だし、運賃的にも変わりはないし、夜も徳島市内の超激安のビジネスホテルに宿泊して翌朝家族と合流すれば文句はないだろうと勝手に考えたわけだ。

鳴門市は徳島県の北東部および大毛島、高島、島田島からなっており、鳴門公園があるところは実は大毛島(おおげじま)という島である。今回は、徒歩とローカル路線バスだけでその島の北から南までを縦断しようというものだ。

そして、移動の途中ちょこちょこ寄り道しつつ次の高速バスのバス停である「高速鳴門」までを旅するという、いつもながらバカな試み。

そのあと、大毛島から鳴門市街のある四国本土へ渡り、JR鳴門駅からローカル列車で徳島駅へ向かおうという計画だ。バスや列車の時刻も考えながらの移動となる。

ということで、7月26日、朝早く三宮発徳島行の高速バスに乗り「鳴門公園口バス停」で下車。心地いい海風に吹かれながら高台から見下ろす、美しい海や大鳴門橋(おおなるときょう)に感動した後、誰も通らない山道を下って、吉川英治の「鳴門秘帖」の舞台にもなった千鳥ケ浜へ。

そこから、ローカルバスと徒歩で「竜宮の磯」という、地元の人しかあまり行かない穴場へ到着。白砂の美しい海岸である。運よく引き潮の時間帯だったので、しばし磯遊びに興じる。そのあとも真夏の太陽を浴び汗だくになりながら田舎道を歩き、平安時代の歌人紀貫之(きのつらゆき)ゆかりの潮明寺にも立ち寄り、ようやく島の南の端までたどり着いた。ここまでが前回のおはなし。

さて、この島から小鳴門海峡(こなるとかいきょう)を渡り市街地のある四国本土へ行くには、3つの方法がある。

1つはかなり迂回するが徒歩で小鳴門橋を渡る。

2つめはローカルバスで同じく小鳴門橋を渡る。

そして、3つめは渡船を利用する。

実はこの島と本土を結ぶ渡船乗り場が今でも3か所あり、島民の足となっている。もちろん、無料である。せっかくなので、ぼくもこのあたりから出ている岡崎渡船に乗ることにした。

ところで、このあたりの地名は土佐泊(とさどまり)という。高知県でもないのになぜ土佐泊なのかというと、前述した紀貫之が土佐の国司の任を終え、京の都に帰る途中、この地に立ち寄ったことにちなんでつけられたという。

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土佐泊の漁村の風景を楽しみながら渡船乗り場に到着。











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暑い日差しを避けるため、待合所で待とうと中を覗いたが、誰もおらず気味悪いのでやめた。
しばらくすると、釣り竿をもったオジサンが自転車でやってきた。タコ釣りをしていたという。
「外国もんはまずいけん喰えんでぇ」と阿波弁で言っていた。



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ようやく対岸から渡船がやってきた。通勤通学買い物とまさに島民の足となっている。









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結局、乗り込んだのはぼくとさっきのタコ釣りのオジサンだけ。昨日は6匹釣れたらしいが、きょうはボーズらしく少し機嫌が悪そうだ。







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潮風を浴びて3分間の船旅へ。
向こうに見えるは神戸淡路鳴門道と小鳴門橋。
ここが、川に見えるが、小鳴門海峡だ。







DSCN1653下船後はまた徒歩だ。
都会とは違い歩行者などまったく見当たらない橋を歩く。
太陽はジリジリと痛く服は汗まみれ。








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撫養大橋(むやおおはし)からの眺めもいいもんだ。










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そして、鳴門といえば、大塚製薬や大塚食品などで有名な大塚グループですよね。








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歩いて歩いてようやく「高速鳴門バス停」に到着。本来、高速バスなら7分で着くところを今回は徒歩とローカルバスと渡船で2時間半ほどかかった。ほんとにアホバカ旅だなあ。

高速バスの乗り場は当然高架の上である。ここでは、上に行くためにモノレールのようなゴンドラに乗って上がる方法がある。名前は「すろっぴー」。ぼくはこれに以前から乗りたかった。いや、これに乗るためにわざわざここに来たようなものだ。では、90秒の旅に出発!
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お昼ご飯は競艇場前の「うずしお食堂」へ。
まさに昭和の香りがする大衆食堂だった。









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まずはなんといっても生ビール。
ガラスケースから自分でハモフライを取り出し、チンして食べる。








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そして、鳴門のソウルフード「鳴ちゅるうどん」。出汁は関西風?麺は細くてふぞろいでやわらか









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生ビールで生き返ったぼくは、鳴門駅から1両のローカル列車でいよいよ旅の終着駅徳島駅へ。









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DSCN1699レンコン畑の中を走るJR鳴門線は鳴門駅こそ有人だったがそれ以外ホームがあるだけの無人駅だ









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鳴門駅から来たら徳島駅が大都会に見えてしまう










DSCN1788徳島駅ポッポ街の店先にリアルな人形が!












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夜は、ビールに地酒、刺身やお惣菜などを地元のスーパー「キョーエイ」で買いこみ、ホテルの部屋でテレビを観ながら一人宴会。
実に楽しく充実した1日だったなあ・・・






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