わしらも熱中症にはなりたくないねん。水ゆうてもこれシカあらへんのかいな。夕方5時の奈良公園も暑ぅおまっせ。
2018年7月撮
敦賀(つるが)は福井県。彦根(ひこね)は滋賀県ですね。
実は今回のひとり旅では別のところを予定していた。
JRのトクトクきっぷに「広島・松山割引きっぷ」というのがあるので、愛媛県と広島県にそれぞれホテルまで予約して列車の座席も取り、楽しみにしていた。その矢先の西日本豪雨である。被害に遭われた方はとても気の毒だが、こちらとしては鉄道が不通となってはにっちもさっちもいかない。JRも手数料なしでキャンセルに応じてくれた。
そして、急遽、計画変更で日本三大松原のひとつ気比(けひ)の松原と現存天守12城のひとつ彦根城を訪れることをメインに、特急列車は使わず、いつものように「青春18きっぷ」を使ってのんびり行くことにした。
今回もいつものようにミッションをみずから課すことにする。
ミッション1・・・気比の松原は実は2度目で2010年に1度訪れている(コクア通信2010年8月号参照)。その時、海の家で働いていたおにいさんと世間話をしていたら、なんと彼は普段新大阪に住んでいて大阪の大学に通っているという。で、夏休みに実家の敦賀に戻り、この海の家でバイトしているという。そのおにいさんにひょっとして再会できるのか、松原海岸の海の家に行ってみる。まあ、8年前のことなので、もちろん、どこかで就職して働いているんだろうけど・・・
ミッション2・・・海で仰向けの大の字になってプカプカと波に身を任す。
ミッション3・・・彦根でひこにゃんを探しだし、ハグする。
ミッション4・・・旅の途中、地元の人と世間話をする。
ミッション5・・・地元の美味しい物を食べる。
さあ今回も難しいミッション。まさに、ミッション・インポッシブル。さあ、「青春ひとりたび」の名に恥じないような青春ドラマは繰り広げられるのか?!いざ、出発進行!
ここまでのくだりは、旅の前に書いたので、この時点ではぼくもどうなったかは知りません。
7月23日、大阪駅午前7時45分発の敦賀行新快速に乗り込み、2時間かけて敦賀に到着。駅から松原海岸まではバスで10分足らず。平日の午前中ということもあり、人はまばらで、海の家さえ開いていない。従って、あの青年のことはわからず、ミッション1は失敗。
まあ、いい。さあ、泳ぐぞ!ザバザバザバと泳いだり、潜ったり。そして、いつものように、大の字になりプカプカ浮いてみる。青い空に白い雲。耳元ではチャプチャプと波の音。この、瞬間が実に気持ちいい。あまり長く浮かんだままだと監視員に死んでいると思われるので、時々、反転して泳ぎだしたりして、安心してください、生きてますよ、とアピールする。これで、ミッション2クリア。
15分ほど泳いだだけでこの敦賀を後にする酔狂者もぼくくらいだろう。
敦賀から次に向かうのは、彦根。ゆるキャラの第1人者、ひこにゃんがぼくを待っている。
ふたたび北陸線を南に下り、琵琶湖の東側を進むことになる。
さすが恐竜王国福井。去年、福井駅で見た恐竜博士がこの敦賀駅にも!
下車した近江塩津駅(おうみしおつ)の駅舎が雰囲気ある!
彦根と言えば、やはり彦根城。そこでひこにゃんに会えるらしい。
炎天下を避けて建物の軒下に登場。ひとつひとつの動きがライバルのくまモンよりもとてもゆっくりで微笑ましい。
ましてや、ふなっしーのような激しさもない。
ひこにゃんがポーズをとるたびに、見ていたおばさまたちは「あっら、まあかわいいわねえ」とため息をつき、おばさまどうし顔を見合わせ「ね~」とお互いうなずきあう。
さあ、ここで、ミッション3を遂行しないといけないのだが、これはもう当然不可能であった。なぜなら、前にはロープが張られ、おまけに係員がふたりもいる。
もし、ロープをまたぎハグしようものなら、係員が血相を変え飛んできて引き離そうとするだろうし、なによりもおばさまたちが悲鳴を上げながら手に持った日傘で殴打することだろう。しかたない。
それでは、現存天守12城、そして国宝5城のひとつである彦根城を堪能することにしよう。
ようやく天守に辿り着きましたが、紙面が尽きました。当然、続きは来月号です。乞うご期待。